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ここでは、各面が正多角形になるものに限って考えることにします。このような多面体は二種類の正多角形の面から構成され、頂点は全てひとつの球面上にあります。
3.1 正四面体の角を切ったもの
1)4つの正六角形と4つの正三角形から成る多面体(写真6)
写真6
1)6つの正八角形と8つの正三角形から成る多面体
2)6つの正方形と8つの正三角形から成る多面体(写真7)
写真7
3)8つの正六角形と6つの正方形から成る多面体(写真8)
写真8
1)12の正十角形と20の正三角形から成る多面体
2)12の正五角形と20の正三角形から成る多面体(写真9)
3)12の正五角形と20の正六角形から成る多面体(サッカーボール形)
(写真10)
写真9
写真10
さて、次に球に近い多面体を作ることを考えます。正多面体の角を切るということは、球に近い多面体を作るひとつの方法のように思われます。確かにサッカーボールなどはかなり球に近い形になっています。このような多面体では、頂点は全て同一の球面上にあり、すべての辺の長さは同じです。従って、各辺の中点が頂点になるようにもう一度切っても、各頂点はひとつの球面上にあります。しかし、この場合切り口はもはや正多角形ではありません。確かに、多面体の角を繰り返し切り落とす方法は多面体を球に近づけるひとつの方法ではあります。しかし、この場合は多面体を内接球に近づけることを目標にしなくてはなりません。これは決して簡単ではありません。実は、サッカーボールの五角形の面は内接球に接していないので、すでにこの方針には反しています。
多面体を球に近づけるもう一つの方法は、多面体を外接球に近づける方法で、これは、適当な場所に新たに頂点を設けることで比較的容易に設計できます。次節ではこのような方法について述べます。