ADEOS搭載RIS


 RISは有効口径約50cmの単一素子の空洞形コーナーキューブ・リトロリフレクターです。従来、測地衛星では多数の素子からなるリトロリフレクターアレイが用いられていますが、分光測定では各素子での反射の干渉が問題となるためRISでは単一素子の構造を用いています。また、反射光の拡がりを最適化するために、3枚の鏡面の1枚に緩やかな球面を用いています。


RISフライトモデル(PFM)


 図はRISの構造です。リフレクターの3枚の鏡面板は軽量化された構造を持つ石英ガラスで作られ、互いに接着されて一体化されています。


RISの構造


 この鏡面板の貼り合わせ角の誤差は1秒角以内です。鏡面は銀をベースとする光学コーティングが施され、350nmから14μmの波長域で高い反射率を持っています。
 RISによる反射波の波面は、球面の効果によって図に示すような曲面となります。この反射面の特性は、RISのフライトモデル(PFM)を用いて干渉計により実測され、球面の効果、貼り合わせ角とともに設計値通りに製作されていることが確認されました。表にRISの主な仕様を示します。




Interference fringe of RIS as observed
from the direction of optical axis

 RISはADEOSの前方に、光軸の方向余弦がADEOSの座標系で(0.508,-0.279,0.815)となるように取り付けられています。RISは光軸の回りの約30度(全角約60度)以内からレーザー光が入射するときにリフレクターとして機能します。


地上設備と大気微量分子の測定(当初計画版)

RISデータとデータの配布(当初計画版)

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