RISを用いて測定した最初のスペクトルデータ

図1 ドップラーシフトを利用して測定した最初のスペクトル(上)
と計算機シミュレーション(下)
図1(上)は、ADEOS衛星の進行に伴うRISからの反射光のドップラーシフトを利用して測定した最初のスペクトル (Dec. 23, 1996) である。Primary、Referenceの2台の炭酸ガスレーザーはそれぞれ 12CO2 の 9P(24) と13CO2 の 10R(24) を発振。図1の縦軸は2つのレーザーラインにおける信号強度の比の対数を示す。図1に見られる吸収は、12CO2 が受けたオゾンの吸収である。測定データはばらつきが大きいが、これは衛星追尾の誤差と大気ゆらぎが原因と思われる。これについて現在検討中である。
図1(下)は、吸収線データベース(HITRAN)とUSスタンダードのオゾンプロファイルを用いた計算機シミュレーションである。スペクトル形状は概ね計算機シミュレーションと一致しているが、測定されたスペクトルの方がやや広がりが大きい。今後、 同日のオゾンプロファイル(東北大によるCRLにおけるレーザーヘテロダイン分光計によるデータ)を用いたシミュレーションによるスペクトル形状と比較して吸収線パラメータの検討を行うとともに、RISによって測定されたスペクトルからのオゾン濃度の導出を試みる計画である。(Jan. 13, 1997)
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