ラドン濃度(ピーク計数値、Rn,Tn計)、全エアロゾル粒子数濃度(CPC 3022A)速報
ピーク計数値(上図)
ラドンは土壌から発生するので、陸起源エアマスのトレーサーである。
横須賀では夜間高く、日中低くなる日変化が観測された。これは混合層高度の変化に
よるものである。
陸を離れるにつれ、値が減少している。ラドンの半減期3.8日より、減少率が大きく、
エアマスの輸送経路や、半減期の異なるトロンの減少率を調べることにより、輸送時
間、エアマスの希釈率を求めることができる。
全エアロゾル粒子数濃度(下図)
半径0.1um以下(Aitken粒子)の数が相対的に多いので、人為起源エアマスのトレー
サーとして用いられる。
横須賀では、日中高く、夜間低く人間活動に対応している。
やはり、陸を離れるにつれ減少するが、最初の一日で、一桁下がっており、減少率が
著しい。このことは微小粒子の寿命がラドンの半減期3.8日より短いことを示してい
るが、これまでの報告では、微小粒子の平均寿命(1/e)は1週間程度と言われている。
エアマスの希釈率を補正し、SMPSによる粒径分布の変化から粒径別に寿命を求める。
スパイク状に高濃度になっているが、煙突の煙りを始めとする船内からの汚染質によ
るものである。良く見ると、6:00、16:30頃に小さいピークが見られるが、食事の準
備によるものである。CNCは、サンプリングタワーから捕集しているので、デッキの
正面で捕集しているバルク試料には影響しないと思われる。
○ 18日のラドンのピーク
鵜野さんの予想通り。この時間、CNCの増加は見られないが、5um以上の粒子が最
大50個/ccまで増加した。黄砂の可能性もあり、電顕の分析が待たれる。
○ 24日、25日の前線通過
24日未明、温暖前線を通過したと思われる。2時頃気圧の減少率が弱まり、風向が
少し南西よりになったほかは、気温、湿度も大きな変化はなかった。しかし、海洋性
エアマスに変わったため、ラドン、CNC、大粒子ともバックグラウンドレベルまで減
少した。24日18時ころには、南西の風が西よりとなり、寒冷前線が通過した。大陸の
エアマスに変わり、ラドン濃度、CNC、大粒子とも増加した。しかし、25日6時以降は
粒子濃度が減少している。この理由として、寒冷前線のから離れるにつれて、前面の
高さが高くなるためと考えられ、シーロメータを見ると、雲底高度が少し高くなって
いる。ライダーだとはっきり見えると思いますが、どうですか?