カーボンモニター(炭素質エアロソル濃度測定)


背景
全球的な炭素質エアロソル濃度と硫酸塩エアロソル濃度は同レベルである。硫酸塩エアロソルと同様に、炭素質エアロソルも地球放射収支に対して重要な要素となる可能性がある。汚染大気中の煤粒子は1.5〜20μg(C)m-3存在し、大気エアロソルの主要な組成の一つである。海洋性大気には0.005〜0.02μg(C)m-3しか存在しないので、陸が主な発生源であることがわかる。有機炭素エアロソルは汚染大気中に5〜20μg(C)m-3存在するので主要な組成の一つである。有機炭素エアロソルは海洋性大気にも0.11〜0.82μg(C)m-3存在する(Seinheld and Pandis, 1998)ことから、海洋生物起源の有機炭素エアロソルが注目される。海洋上における炭素質エアロソルの濃度分布はほとんどわかっていないので、北太平洋上の船舶観測と離島観測から濃度分布を明らかにする。
測定
エアロソルをインパクタ上に捕集、インパクタを加熱しエアロソルの炭素成分を燃焼する。燃焼後のCO2濃度からエアロソルの炭素質濃度を求める。炭素質エアロソルの燃焼温度特性から、加熱温度を2段階に分けて設定することにより有機炭素と黒色炭素を分別する。サンプリング時間は2時間とした。

参考文献:Seinheld, John H. and Pandis, Spros N., Atmospheric Chemistry and Physics, Page 705 and 709-710, A Wiley-Interscience Publication, New York, 1998.

大木


絶対値については、補正が必要ですが、相対的な変化を追うことはできます。


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